PR

2022/11/18に初著書「ブログライティングの教科書」を朝日新聞出版から発売します。予約特典もあるので、ぜひお早めにお申込みください!Amazonはこちら楽天はこちら

前回書いた「アフィリエイトをやめようと思う」が思ったより色んなとこで反響がありました。

長いことアフィリエイトをやってきて、最近困るなあと思っているのが「ASP動かない問題」です。いや、むしろ「ASP動かなさすぎ問題」。というよりも「そもそもASP動く気ないんじゃないか問題」かもしれません。

「ASP」と一括りにしていますが、そういうASPが多い気がするというだけです。実際に動いてる動いてないは分かりません。聞いても「動いてない」なんていうASPないだろうし…

ASPも担当者によって対応が違うので、あくまで個人的な感想だと思ってください。

ASPに依存するビジネスモデル

アフィリエイトは、アフィリエイターと広告主の間にASPを挟んで成立するビジネスモデルです。ASPに手数料(ASPマージン)を支払うことで、広告主との契約や報酬のやりとりをASPが代行してくれます。

ASPの存在がなければ、アフィリエイトはこんなに大きな市場には絶対にならなかったし、自分がこうやっていまもブログを書けているのはASPのおかげです。感謝。

ASPがどんな業務をやっているかといえば、広告主の商品の販促がメインです。アフィリエイターと広告主の間に立って、案件の売り上げを上げるための業務をしています。

その中の一つが特単交渉で、アフィリエイターや広告主と特単交渉して、さらに露出強化して売り上げを伸ばす。他にはアフィリエイターと広告主を引き合わせて新しい施策のお手伝いをしたり。

ASP内で管理画面を触る、新規案件の獲得、広告主の案件導入、アフィリエイターとの打ち合わせや交流、広告主との打ち合わせや交流などなど、ASPの担当する業務は本当に多いです(大きなASPは部署が分かれていますが)。

メディア担当と呼ばれるアフィリエイターとのやりとりを専門にする担当者だと1人で1000〜2000人を担当しているとか。まあそんな人数見られるはずがないので、実際にやりとりしているのは、多くてもその中の20〜30人程度との付き合いになります。

アフィリエイター、ASP、広告主の売り上げは連動する

Googleのアルゴリズム変動やITP問題などもあり、アフィリエイターにとってはかなり厳しい局面です。それは同時にASPにとっても厳しい時代だということです。

基本的にアフィリエイター、ASP、広告主の売り上げは連動します。アフィリエイターが儲かってる=ASPが儲かってる=広告主の商品がよく売れているということです。

アフィリエイターが儲からなければ、ASPも儲かりません。儲かるときは全員が儲かってハッピーなんですが、儲からなくなると全員儲からなくなって、いかに周りを出し抜くかという嫌な雰囲気に包まれます。

本当はみんなで協力してなんとかできるのが理想なんですが、とはいえ会社潰れるリスクとか考えるとそんな綺麗事も言ってられないというのが現実です。

実践的なブログ・アフィリエイトを体系的に学べる無料メール講座もやってます!
» 無料メール講座の登録はこちら

ASPが動かないと何もできない

当たり前なのですが、アフィリエイターと広告主の間にASPが挟まっているので、ASPが動いてくれないと何も動きません。

「特単交渉してほしい」とASPにお願いしたところで、それをASPが広告主に伝えなければ、特単はいつまでたっても適用されません。特単以外にも広告主への要望が通るかどうかはASP次第です。

これは完全な愚痴ですが、最近は「ASP動いてるの?」と思うことが本当に多いです。こちらから出した要望がなかなか通らないことはビジネスなのでよくあります。しかし、ASPとのやりとりだとどこまで話が進んでいるかも不透明なことが多いです。

広告主には伝わっているのか、伝わっていないのかとか。どこで止まっているかが分からない状態だと危険で、もしかしたらいつまで待っていても無駄かもしれません(こういうのは普通にある)。

仮に広告主には伝わっているけど、広告主側の返答に時間がかかっているなら仕方ないですよね。それをASPに早くしろ早くしろ言ったところで、かわいそうです。しかし、ASPから広告主側に伝わっていないなら、早く伝えてもらう必要があります。

もっと少し突っ込むと、アフィリエイターと広告主では担当者が違うので、ASP社内でコミュニケーションが取れているかということもあります。

ASPも人間ですから、普通に忘れることもあります。誰もが経験あると思いますが、ずっと進んでなかった話を催促したら「ちょうど返事が返ってきました!」みたいなこと。

まあそれは本当かもしれませんが、毎回それでは「嘘だろおい」と思ってしまうのは仕方ありません。

難しいのが時間かかるときは普通に時間がかかるときもあるってことですね。前に月300件獲得してた上場企業の案件があったのですが、それは「特別単価をいくら出せる」という返事が返ってくるまでに3ヶ月かかりました。

特に広告主が大きくなると広告費の予算などが決まっていたりしてすぐに特単が出ないことも多いです。3ヶ月〜半年くらい特単や提携で待たされたりもするので、遅いからとASPに激ギレするのはやめましょう。

広告主に直接営業

ここまでは愚痴みたいな話なので、読んでも別にいいことはありません。読んでくれてありがとうございます。本題はここからです。

ASPが全然動いてないと感じていたけど、それを放置するわけにもいきません。だって特単適用が遅れれば遅れるほど、売上を捨てているようなものです。

報酬1000円のものが報酬7000円になったら、単純に売上は7倍です。1日も早く特単を獲得しないといけません。アフィリエイターにとっては死活問題なんですよね。

ということで、ここからはうちがやっていた営業を簡単に話をしてみます。

まあ裏技とかではないんですが、うちでは普通にASPを飛び越えて広告主に連絡して直接交渉していました。問い合わせは公式サイトに載っているメールアドレスとか問い合わせフォームからです。

問い合わせできない広告主も多いですが、上場企業でも割と返事はもらえたりします。

で、広告主と直接やりとりして、現状や特単の話を進めます。ASPを挟まないので、ここは爆速です。広告主ももっと売れるなら、単価出したいというところも多いので、やる方がいいです。

ASPを挟まない直取引

広告主と直接やり取りするようになると「ASPを挟まない直取引ならもっと単価出せます」と言われたりします。最近は特に多くてほとんどの広告主がそういう交渉を持ちかけてきます。

ASPを通さないとたくさんの報酬をアフィリエイターに渡せるから、広告主にも大きなメリットがあります。

これに関してですが、私は直取引の提案はほぼ全て断っていました。よほどの理由がない限りは、ASPを通しての取引を継続させました。

そもそも直取引になるとASPには手数料は全くはいりません。ASPが動かないとはいえ、他の案件でもお世話になってるので、自分としてはそれは筋が通らないだろうと。

あとはASPの売上が増えれば、他の案件の相談をするときなどにも対応や待遇がよくなるので、回り回ってASPを通すほうがメリットが大きくなると考えていました。

直取引の条件がよっぽどよければ検討しますが、、、基本的にはASPマージンをひかれてもASP通すほうがいいです。

「報酬が30%も増えるなら直取引のほうがええやん」とか思うかもしれませんが、直取引は正直手間も増えます。直契約になるとASPが代わりにやってた契約、お金のやり取りなど全部自分でやる必要があります。

そんなことあるのかと思うかもしれませんが、広告主が広告費を未払いとか普通に結構あります。その回収どうすんの?みたいな話にもなります。

アフィリエイトはASPがいて成立するビジネスモデルで、そこを基盤にビジネスをしてきたんだったら、少しくらい報酬増えるからとASPをすぐに飛ばすような真似したらダメだろうなと思います。

まあ考え方は人それぞれだし、ビジネスとしてやっている以上直取引のメリットが大きければ圧倒的に検討はするんですが、ASPの存在を忘れないようにしたいです。

最近は承認問題やITP対応などでASPの悪口を言う人がめちゃくちゃ多い印象なんですが、個人的には「そんなにASPに不満あるなら、自分で営業して全部直契約すれば?」とか思っちゃうくらいにはひねくれてます。気づいてないだけで、ASPにはすごく守られてることも覚えておきましょう。

広告主→自分→ASPへ。なにやってんだろう?

広告主と特単交渉したら、結果をASPに伝えます。これに関しては私からもASPの担当者に伝えますし、広告主側からもASPの担当者に連絡してもらっていました。

どっちか一方の連絡だと、最終的にASPが確認連絡が必要になって時間の無駄です。最初から両方から連絡することで、ASPもそのまま進めることができます。

そうやって広告主と直接やりとりしていい条件を獲得してたんですが、ある日自分の中でふと疑問が生まれてしまいました。

「なんで俺が広告主と直接交渉してんだ?ってか、その結果をASPに伝えるだけってASPは管理画面で特単設定だけで売上持っていくのか…これ俺の仕事か?何やってるんだろう…」

さっきも書いたんですが、ASPには感謝してるし基本的に直取引は全部断ってASPを通してました。それはもちろんそれでよかったんですが、じゃあこのまま5年後10年後もそうやっていくのかと思った時に、絶対にないなと思ってしまいました。

ASPに動けといったところで動くようにはならないので、自分で広告主と直接交渉するのはいいと思うしオススメです。それなりに売れてる案件があるならやる方がいいです。

ただそれって「アフィリエイトのビジネスモデル崩壊してない?」とも思いますが、これはASPが悪い訳ではなくて…こういうのも時代が変わってきてるんだろうなと考えてます。

まあそんなことやってりながら先のこと考えたら「アフィリエイトやめて別のことした方がいいよね。もう十分アフィリエイトはやってきたし。」というのも「アフィリエイトやめようと思う」のきっかけだったりします。

広告代理店の存在

今回は話を簡略化するために広告代理店の話は省きました。実際にはアフィリエイター→ASP→広告代理店(複数の場合も)→広告主という感じで稼働している案件がほとんどです。

どこまで話が通っているか分からないと書きましたが、そこに広告代理店も絡んできます。ASPから広告代理店に話はしているけど、広告代理店から広告主に話がいかないとかね。

ASPから聞いた話だと「広告代理店がASPからの話を全部止めている
。広告主は現状に満足しているから、これ以上追加施策などは必要ないと代理店に言われた
」ってケースもありました(かなり昔に聞いた話)。

時代が大きく変化する中で、ASPも広告代理店も今までのやり方は通用しなくなってきてる感はあります。それぞれがどこに活路を見出すかは分かりませんが、ここ数年で業界がどう変化するかは一つの楽しみではあります。

少なくともアフィリエイト業界で今までのようなインターネットの仕組みを利用した手数料ビジネスはもう無理ですね。

「アフィリエイトをやめようと思う」の補足

冒頭でも書いたように思った以上に、前回の記事は反響がありました。

そこで「もうアフィリエイトは厳しいのか…」みたいな感想が多かったので、その点について補足したいです。

誤解してほしくないのですが、前回の記事は「アフィオワコンだからアフィリエイト撤退」みたいな話ではありません。コワーキングスペースや子育て相談ドットコムを運営するようになって、アフィリエイトとは別のことに注力したくなっただけです。

ウェブサービスを立ち上げるって本当に大変で、どうなるか分からない中でお金だけが減って毎日吐きそうだし、プライベートな時間も他のことをやる時間がなくなります。サービス改善、集客、営業、顧客対応などやることは無限大です。

そんな中で繰り返される大きなアップデートの波に飲まれながら、アフィリエイトをやるのは現実的じゃないです。

将来的にアフィリエイトと子育て相談ドットコムやABCスペース。どっちが大きな価値があるものになるかといえば、どう考えても後者だと思ってます。アフィリエイトは他の人でもできるけど、後者は自分にしかできないことだからそっちをやろうと。

あと14年間もアフィリエイトに関わってきたので「アフィリエイトに飽きた」というのも本音です。ある程度慣れるとアフィリエイトでやることは体系化されて機械的にになってきます。じゃあそんな中で何と戦ってるかといえばGoogleの気まぐれな変動です。

ユーザーや時代の変化に合わせて仕事のやり方が変わるのは全く構わないけど、Googleの変動に合わせて動くのはなんともアホらしいと思うようになってしまいました。

だから「アフィリエイトやめようと思う」って話です。

アフィリエイトを否定する気もないし、今から始めてアフィリエイトで大きな収益を上げる人もたくさんいるはずです。

新事業に注力してアフィリエイトから手を引いてるおかげで収益は激減してるけど、だからってアフィリエイトやってたら今までと何も変わらないので、苦しい時期を乗り越えられるように頑張ります。

この記事の筆者
なかじ(中島大介)
名前:なかじ(@ds_nakajima)

株式会社メリルの代表取締役。ブログとアフィリエイトで月1000万円達成。

ブログ、アフィリエイトに関してはYouTubeチャンネル「ウェブ職TV」でも情報発信しています。

2019年5月には子育ての悩みを産婦人科医や保育士などの専門家に無料相談できる「子育て相談ドットコム」をリリース。

ブロガー、アフィリエイターのためのコワーキンスペース「ABCスペース」を名古屋でオープンしました。